動線を考えた間取り、とは最近よく耳にする言葉です。住まいづくりは動線が最も重要という意見もよく聞きます。動線を考えた間取りとは、分かりにくい言い回しですが、要するに動きやすい間取りにしましょう、という話です。言ってみれば現在のトレンドですので、大手ハウスメーカーが販売する住宅や、一級建築士が設計した新築物件などでは、すでに当たり前のように取り入れられています。
しかし注文住宅の場合、基本的に施主の希望で設計が進められますので、必ずしも動線を考えた間取りにはなりません。施主が設計担当者にアドバイスを求めたり、専門のアドバイザーがいる販売業者で注文住宅を建てる場合には、適切にアドバイスを受けることができるでしょう。しかし住宅を販売する会社はいろいろです。中には客が希望した通りの間取りにすることこそが、良心的だと思っているところもあります。
施工業者にしてみれば、客の要望がまず物理的、技術的に可能かどうかを考えます。暮らしやすいかどうか、動きやすいかどうかまで考えてくれる業者は多くありません。技術的に可能であるのにケチをつけるようなことを言えば、施主を怒らせてしまう可能性だってあります。自由に間取りを決められることが注文住宅の魅力ではありますが、動線を無視して決めてしまうと、住み始めてから後悔することになるかもしれません。
こだわりを実現しつつも、専門家のアドバイスを受け、柔軟に対応することが、暮らしやすい住まいを手に入れるコツです。